2023年度研究会

第36回研究会報告(2023.2.24)

2024年2月24日(土)に、第36回研究会をオンラインにて開催しました。

第36回ビジネス日本語研究会は、外国人留学生の就職の現状と多様化をテーマとしました。社会学的な観点からの基調講演と教育現場からの報告をあわせ、外国人留学生の就労を取り巻く状況の変化について、多角的に考える機会となりました。

■【趣旨説明・話題提供】
▪趣旨説明「どこが変わった?留学生の就職」
講師:堀井惠子(ビジネス⽇本語研究会幹事、武蔵野⼤学名誉教授)
日本社会の課題として、多文化共生社会の実現と労働力不足があげられ、外国人就労者が増えている中でもまだ就労者に対する日本語教師が不足している現状について指摘がありました。

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■眞住優助氏(金沢大学 国際基幹教育院 准教授)
「留学生の日本就職の現在」というテーマで社会学的な観点から留学生の就職状況や課題についてお話を伺いました。さまざまなデータをもとに就職支援施策と現状が示されました。「技能移民」についての問題提起があり、日本語能力によって技人国ビザ所有者の属性が多様化している現状について指摘がありました。
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【事例報告、ディスカッション】
大学と日本語学校の現場から、留学生の就職の現状について報告がありました。

■渡辺若菜氏(立命館アジア太平洋大学 言語教育センター 特任講師)
APU国際学生の就職活動状況について紹介されました。外資系企業への就職希望が増えていて、どうしても日本企業で働きたいという学生が減っており、今後キャリア支援の日本語教育はどうあるべきか考える必要があるとのお話でした。
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■多田苗美氏(昭和女子大学 国際交流センター 非常勤講師)
大学内の留学生、特に特別留学生に見られる傾向について紹介がありました。留学生に共通する日本企業のイメージとして、残業が多いなどステレオタイプ的なイメージがある一方、「安心・安全」といったプラスのイメージもあるというお話でした。
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■丸山友子氏(コミュニカ学院 教務主任)
多様な背景・希望進路をもつ学生が混在する現場での就職支援について紹介され、あらゆる機会を教育の機会・場とするという教育方針についてお話がありました。
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【研究発表】テーマ:外国人材の活躍の支援と教育

■國井久美子(フリーランス)・滑川恭平(株式会社 ウイルテック)・ 北内直子(TIJ  東京日本語研修所)・内田さつき(コミュニカ学院) 日本語教育機関が研修に際して企業との接点をみつけるためのヒアリング項目の開発:両者が課題を共有するために
■黒田史彦(東京都立大学) 外国人材と共生できる職場づくりワークショップ:パターン・ランゲージを活用した取り組み
■品田潤子(BPC研修サービス)・栗又由利子(きぼう国際外語学院) 就労日本語教育におけるアーティキュレーションの構築に向けて:技能実習生の来日前・入国時・配属後の日本語教育連携に見る課題

2024年は日本語教育関係者にとっては変化の年で、現場ではさまざまな課題の対応に迫られています。皆さんご多忙な中、今回も、100名近い皆さまにご参加いただきました。ご参加くださった参加者の皆さま、ご登壇いただいた皆さま、どうもありがとうございました。 (報告:内田さつき)